第3話「暴かれる素顔〜愛とひきかえの復讐』


成瀬(大野智)と咲田しおり(小林涼子)は、教会の表でクマの縫いぐるみを抱いて泣いている少女の空を発見すると何処から来たなか?と尋ねてみた。

空は成瀬の顔を見て、「知らないお兄ちゃんと遊園地に行っていた」と答えた。

その頃、芹沢の親友・石本は発作を起こして救急病院に運ばれていた。
しかし医師の必死の処置も虚しく石本は息を引き取った。

成瀬としおりは、空を自宅アパートまで送り届けたが母・多恵は不在だった。

暫く待つと憔悴しきった多恵が戻って来た。
多恵は空を見つけると抱きしめ安堵する。同時に石本を疑った事の過ちに気付き青ざめた顔で震えた。

そして、目の前の成瀬が弁護士だと知ると何かを言いかけて止めてしまう。

芹沢は医師から、石本は持病の喘息発作による病死との診断を聞かされて納得出来ず、石本の部屋に残されていた状況証拠品から熊田弁護士が殺害された様に『雨野真実』からの予告殺人だったに違いないと確信して、係長・中西(三宅裕司)や同僚らに言い張った。

芹沢はしおりから、クマの縫いぐるみを持った少女に会ったと聞いて、翌日、恵のアパートの大家から事情を聞くなどした。の捜査の結果、石本を殺した犯人は芹沢の父・栄作(石坂浩二)のホテル従業員・多恵に間違いないが黒幕は他にいると睨んだ。

そして、栄作と兄・典良(劇団ひとり)に十分気をつけるように注意を促した。

芹沢は、その後の捜査で多恵の元にも「雨野真実」から宅配が届いた事を突き止めた。
署に戻り、その事実を報告するが、中西(三宅裕司)は多恵を参考人として手配する事を部下に命じて、芹沢には捜査から外す事を告げた。

「どうしてづすか!?」

「今度の害者はお前の親友だ。
熱く成り過ぎているお前に冷静な判断は出来ない」

「納得出来ません!」

「鏡を見てみろ!今のお前の目は刑事の目じゃない!
親友を殺した犯人を憎んでいるだけの目だ。
捜査は復讐じゃない。今のお前は刑事失格だ」

芹沢は雨が降りしきる中、しおりの元を訪ねた。
ずぶ濡れになった芹沢を見て驚くしおり。



芹沢は石本に届けられたクマの縫いぐるみと少女・空が持っていた縫いぐるみが同じ物かしおりに確認して貰いに来たのだった。

しおりは、自分が残像で見た物と少女・空が持っていた物と芹沢に見知られた物が全て同じ物だと答えた。

芹沢は雨に打たれながら涙を零した。
そして、殺された石本とは幼なじみだった事。
石本の店をやる夢が叶いそうであった事。

自分の判断ミスで殺された事など自分を責め泣きながら、しおりに話した。

「刑事さんは悪くありません」

しおりは芹沢の頭の上に傘を差し掛けて答えた。

翌朝、落ち込む芹沢にしおりから連絡が入り『雨野真実』から宅配便が届いた事を知らされた。
芹沢は直ぐにしおり元に駆け付けて宅配便を開けて見た。
中には赤い封筒に入った「女帝」のタロットカ−ドだった。

女帝は神話の中の女神デメテルで大地の母で自然の支配者を意味していた。

しおりは女帝のタロットに触れて透視を試みた。

白い建物と誰かがハ−モニカを踏む映像
そして学生服を着た誰かが廊下を逃げる姿と風見鶏の映像を透視した。



芹沢はしおりを図書館まで送り届けた後で成瀬と出会う。

「新谷多恵という女性をご存知ですね?
迷子の女の子の母親です」

「あ、はい。それが何か?」

「その新谷多恵に石本が殺されました」

「えッ・・・?あのお友達の?
それは、お悔やみ申し上げます。
人生これからという時に命を奪われるとは、さぞかし無念だったでしょう」

「えぇ・・・俺は犯人を絶対に許しません。
俺が必ず捕まえてみせます」

芹沢はキッパリと言って署に戻った。

そして、係長・中西に雨野真実から、しおり宛てにタロットカ−ドが届いて狙われるかも知れない事を報告した。

中西は雨野はしおりの能力と捜査に協力している事も知っているのではないか?と推測した。
そして、しおりを守らせる為に芹沢に捜査復帰を命じた。

芹沢の携帯に同僚刑事・塚薫(上原美佐)から電話が入り、新谷多恵の半年分の滞納家賃を成瀬が一括で支払っていると連絡が来た。

芹沢は直ぐに成瀬の事務所に行くと多恵が相談しに来ていた。
芹沢は任意同行を求むると成瀬は弁護を引き受けると同時に警察に行く事を多恵に告げた。

事情聴取が始まると同時した成瀬は護身用の細粒スプレをー提出した。
それは、見知らぬ者から多恵の自宅に宅配便で届けられて来た品であった。

多恵が石本に会った時の護身用として持って行き、石本の部屋で娘の空が持っていたクマの縫いぐるみを発見して、空が去われたと思い石本に詰め寄って掴み合いになって噴射した物だった。

芹沢は多恵の供述を信じずに言葉を荒げて立ち上がる。

そんな芹沢の態度を見て成瀬が問いた。

「冷静にお願いします。
貴方は石本さんの全てを知っていると言えるのですか?
誰でも裏の顔は有るものでしょ?」

芹沢は何も返せずに座り込んだ。

「今回の事件は不幸な事故だったのです。
よって弁護人は正当防衛を主張します」

鑑定の結果、多恵の供述通りにスプレー銃からは石本の指紋の後が見つかり殺害での立件は難しくなり、多恵は保釈された。

警察署を出て多恵が成瀬に御礼を述べた。

「私は、ただ真実を証明しただけです」

芹沢は成瀬に言い寄った。

「そんなのは真実じゃない!!
彼女を操っていた奴が捕まっていません。
そいつを捕まえて初めて真実が解るんです!」

「なら、捕まえて下さい。
それが警察の仕事じやないんですか?
私たちに当たっても何も解決しませんよ」

「なんだ、その言い草は!2人も人が殺されてるんだぞ!!」

芹沢は感情が高ぶり中西の制止を振り切り、言葉荒げに成瀬に詰め寄った。

「依頼人の利益さえ守れば良いんですか!?
それが、あんたの正義ですか!!」

中西は必死に芹沢を落ち着かせる。

「じゃあ、貴方の正義は何ですか?
正義の捕らえ方は、人それぞれです」

成瀬は芹沢に厳しい眼差しで言い放つと多恵と共に帰って行った。

成瀬が多恵をアパートまで送り届けた。
部屋では、しおりが空を寝かし付けた所で多恵の無実を聞いて安堵する。

しかし多恵は娘の寝顔を見て、成瀬に感謝しつつも、誤って石本を殺して人殺しの母親になった事には変わりはないと悲観して、自分を人殺しにした人物が憎んだ。

成瀬としおりは帰り際に教会に立ち寄った。

「私のせいかも知れません・・・」

様子のおかしい、しおりに成瀬は優しく問いた。

「今まで黙っていたんです…。
私 物から残像を読み取る不思議な力を持っているんです。
それで、石本さんの事件にも協力をして、
私が警察の判断を狂わせてしまったんじゃないかって。
そのせいで、石本さんが…、それに空ちゃんのお母さんも」

成瀬は黙ったまま耳を傾ける。

「神父様は、その不思議な力を神様が与えてくれた宝物だって…。
私もずうっと、そう思ってました。でも…」

「でも…?」

「神様ではなく、悪魔から与えられた邪悪な力なんじゃないかって…。
私は悪魔に利用されてる様な気がして……、悪魔が私の中にいるのね…」

しおりは泣きながら秘めていた気持ちを話した。

そんな、悲観するしおりの姿を見続けていた成瀬は、祭壇に飾られたキリストの張り付けられた十字架を見つめながら呟いた。



「貴女が悪魔なら世界中、悪魔で溢れていますよ。
僕には分かります。悪魔は別の所にいるんです」

翌朝、しおりは女帝のタロットカ−ドが送られて来た理由が解った気がして芹沢に来て貰った。

死者の声を意味する花の絵が描かれている事から、送り主は、しおりに死者の代弁者になって欲しいのではないかと推測した。

そして、しおり自身が透視で見た風見鶏を何処かで見た様な気になっていた事から2人は車で探しに行く事にした。

しおりの記憶を辿りながら終に風見鶏を発見した場所を見て芹沢は驚愕した。

しおりが指差した風見鶏のある場所は芹沢の中学校であった。

芹沢は呆然としながら校舎の中を歩いて行く…。
芹沢の目の前を少年時代の自分と親友たちが通り過ぎて行く…、

しおりも芹沢の後を追い掛けて校舎に入ると透視で見た学生服を着た少年が逃げて行く姿が映り出た。

芹沢が何かに導かれる様に歩いて辿り着いた場所は、真中英雄を刺殺した場所であった。

芹沢の脳裏に英雄を刺殺した時の光景や逃げる自分の姿…。
そして、裁判で無実になった時の光景が鮮明に甦って来て、その場に膝を落としてしまった。

そして、刺殺した現場に遭遇して目撃していた少女がいた。

その少女が不思議な能力を秘めたしおりであった。


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